「深夜0時の司書見習い」あらすじと感想・図書館が舞台のファンタジー

ファンタジー

今回ご紹介する本は近江泉美さんの「深夜0時の司書見習い」です。

深夜0時の司書見習い

引用元:Amazon

父親にすすめられ、北海道の知り合いのところで夏休みを過ごしなさいと言われた美原アン。

ですが行った先では心当たりがないと言われ、しかも怖い青年もいて涙目になってしまいます。

どうしたら良いのかと悩むアンに、夢の中に出てきた言葉を喋る猫「ワガハイ」に夢の中の図書館「図書迷宮」の司書になれと言われて困惑の一途に。

現実の図書館と夢の中の図書館、2つの図書館を行き来しながらアンは試練に立ち向かいます。

こちらの記事ではネタバレにならない程度にあらすじをご紹介します!

こちらの記事で分かること

  • 「深夜0時の司書見習い」概要・おすすめしたい人
  • 「深夜0時の司書見習い」あらすじ
  • 「深夜0時の司書見習い」登場人物
  • 「深夜0時の司書見習い」に出てくる専門用語
  • 「深夜0時の司書見習い」に出てきた本
  • 「深夜0時の司書見習い」の感想

ぜひ、最後までご覧になってください。

「深夜0時の司書見習い」概要・おすすめしたい人

「深夜0時の司書見習い」概要

  • 著者:近江泉美
  • 発売日:2022年4月22日
  • 出版社:KADOKAWA

おすすめしたい人

  • 図書館が出てくる本が読みたい人
  • 本とファンタジーの世界観が好きな人
  • 猫が出てくる物語が好きな人
  • 主人公が奮闘する物語が好きな人

「深夜0時の司書見習い」あらすじ

「深夜0時の司書見習い」あらすじ

  • 父親に夏休みを北海道で過ごすように勧められる
  • セージに3つのルールを告げられる
  • 夢の中で喋る猫に図書館の仕事を押しつけられる

父親に夏休みを北海道で過ごすように勧められる

東京で暮らす高校一年生のアイは、父・太一に夏休みを北海道の知り合いのところで過ごすよう突然告げられます。

理由は太一が千冬に会いに上海に行くから

千冬というのは太一の奥さんで、現在上海に出張中です。

だからと言って、勝手に北海道に一人で行ってこいと言われても寝耳に水ですよね。

当然アイは抗議しますが、北海道行きは決定のようで渋々行くことに。

ですが実際に北海道に着くと、東京とはまったく違う景色に心が躍ります。

これから新しい生活が始まるんだと胸を躍らせて、アイは太一の知り合いの元へ向かいました。

セージに3つのルールを告げられる

太一から知り合いの籾さんはスゴくいい人だと言われていたアンでしたが、実際に会った籾セージは想像と真逆でした。

長身で痩せているのは良いのですが、目つきが鋭く血色も悪い。

おまけに猫に引っかかれて頬からは血が出ていました。ただただ怖い印象しかない青年です。

さらに太一が連絡してくれている筈なのに「そんな約束してない。帰れ」と素っ気ない返事が。

救いだったのは、一緒に暮らしている能登夫妻がめちゃくちゃ優しかったことです。

二人は事情を把握していないながらも、アンに「泊って行きなさい」と言ってくれました。

セージも渋々承諾しますが、アンを部屋に案内しながら不可思議なルールを言い渡します

セージに言われた3つのルール

  1. ケータイやスマホ、ネットに繋がる物を図書館に持ち込まない
  2. 部屋の鍵は常にかけて夜は部屋から出てはいけない
  3. 猫の言うことに耳を貸してはいけない

最初の2つは何となく理解したアンですが、最後のルールの意味が分からずに聞き返そうとします。

ですがセージは何も答えてはくれず、ドアは無情に閉じられてしまいました。

疲れ切ったアンは、そのままベッドに倒れ込んで眠ってしまいました。

夢の中で喋る猫に図書館の仕事を押しつけられる

眠った筈のアンに、誰かが声をかけてきます。

目を開けると、目の前にぽっちゃりとしたペルシャ猫が座っていました。

「おはよう、小娘ちゃん。さあ、仕事の時間だ」(「深夜0時の司書見習い」より引用)

突然現れた猫がいきなりしゃべり出したら、夢だと思うのは当たり前です。

ですが猫は再び眠ろうとしたアンの腕に爪を立て、痛みでたたき起こします。

猫はアンに「図書迷宮」の司書見習いになれと言い、仕事を押しつけてきました。

夢だと思って渋々猫の言うことに従うアン。

彼女はセージに言われた「猫の言うことに耳を貸してはいけない」というルールを、早速破ってしまったのです。

ここからアンの司書見習いとしての仕事が始まるのです!

「深夜0時の司書見習い」登場人物

「深夜0時の司書見習い」登場人物

  • 美原アン
  • 籾セージ
  • ノト夫妻
  • ワガハイ
  • もみじ君
  • さゆりさん

美原アン

東京生まれ東京育ちの高校一年生。

父親の太一から、強制的に北海道でのホームステイを言い渡されてしまう。

マイペースな父と違い、しっかり者で礼儀正しいお嬢さん

一方で人の言うことを気にしすぎる一面もあり、失敗すると落ち込みすぎるくらい落ち込むことも。

籾セージ

セージの家は代々「モミの木文庫」の館長を務めていたが、とある理由で館長の仕事を放棄してしまう。

猫が大好きで彼等を守るためなら身を挺して助ける一方で、アンには冷たい態度をとる。

長身と鋭い目つきのうえに無愛想だが、やがてアンにも心を開いていく。

「図書迷宮」で奮闘するアンに、おすすめの本をさりげなく紹介してくれる一面も。

ノト夫妻

「モミの木文庫」に住み込みで働く夫妻。

アンには最初から優しく、セージに追い出されそうになって途方に暮れるアンを泊めてくれた。

人のお世話をするのが大好きで、誰にでも優しい。

ワガハイ

「図書迷宮」に住む喋る猫。尊大な性格で、アンを強引に司書見習いにしてしまう

図書迷宮を守る使命を果たすためにアンには容赦なく爪を立ててしまうが、色々アドバイスしてくれる。

もみじ君

「図書迷宮」の住人で、美少女と見間違うほどのイケメン。

かつて大ヒットした小説「恋雨とヨル」の作者で、本が大好き。

本の話題になると、目を輝かせて話が止まらなくなる。

さゆりさん

アンに初めてできた「本友達」。

最初は本を読むのを躊躇していたが、アンが勧めてくれた本を読んでくれた。

物腰が柔らかく優しそうな老婦人。

「深夜0時の司書見習い」に出てくる専門用語

「深夜0時の司書見習い」には作中に専門用語がいくつか出てきます。

こちらを知っていると、さらに楽しく読めると思うのでご紹介します!

「深夜0時の司書見習い」に出てくる専門用語

  • 図書屋敷
  • 図書迷宮
  • <著者>
  • <登場人物>
  • <先祖返り>

図書屋敷

セージが管理する「モミの木文庫」の別名。

宮殿のような作りから、そのように呼ばれている。

開拓のために北海道にやってきたセージのご先祖様に当たる外国人が建てた。

北海道最北端の私立図書館。

図書迷宮

セージの祖先が作り出した夢の世界で、図書屋敷の裏の存在。

初代司書は魔法使いで、彼が蔵書票をつけた本は魔力が宿り夢を見るようになった。

書物の夢が混ざり合い、図書迷宮が誕生した。

<著者>

図書迷宮で生まれた幻のような存在。

本を書いた作者が、読者のイメージした姿で図書迷宮を彷徨い歩いている。

<登場人物>

<著者>と同じく、物語の登場人物が読者のイメージした姿で図書迷宮に存在している。

<先祖返り>

図書迷宮の中で、普通の本は読まれないと化石になる。

その中で司書の本は古くて革装が多いので、元の動物の状態に戻ってしまう。

「深夜0時の司書見習い」に出てきた本

「深夜0時の司書見習い」の作中には実在の本がいくつか出てきます。

こちらも面白そうなので、いずれ作品ごとにご紹介したいと思っています。

とりあえず著書と簡単な内容をこちらでご紹介します!

「深夜0時の司書見習い」に出てくる本

  • 荘子 第一冊 内篇
  • クローディアの秘密
  • シャーロック・ホームズの冒険
  • おおきなかぶ

荘子 第一冊 内篇

「荘子 第一冊 内篇」は七篇ある内の一冊目です。

著者は荘子で、今から約2,300年前に書かれました。

アンはワガハイに言われた「胡蝶の夢」という言葉が気になって、読もうとしました。

しかし難しすぎて居眠りしてしまい、図書迷宮でもみじ君に解説してもらいます。

胡蝶の夢とは?:夢と現実の区別できないことの例え

クローディアの秘密

「クローディアの秘密」は1967年に E・L・カニグズバーグが書いた小説です。

12歳のクローディアは両親が自分を認めてくれないことを不満に思い、弟のジェイミーと一緒に家出。

家出先が驚きのメトロポリタン美術館です!

美術館で警備員達から隠れながら暮らしていくうちに、クローディアの心境に変化が現れます。

彼女の家出はどのような結末を迎えるのか、気になりますね。

シャーロック・ホームズの冒険

「シャーロック・ホームズの冒険」の著者はコナン・ドイルです。

アンがさゆりさんに薦める本を選んでいた時に、「シャーロック・ホームズの冒険」はどうだろうともみじ君に薦められます。

シャーロック・ホームズの原作は全部で9冊あり、普通なら最初から読む物です。

ですがシャーロック・ホームズの人気が出るきっかけとなったのが、短編集の「シャーロック・ホームズの冒険」でした。

確かに短編集の方が初めて読む人には読みやすいかも知れませんね。

おおきなかぶ

「おおきなかぶ」は元々ロシアの民話で、アレクセイ・N・トルストイが再編しています。

日本では1966年に絵本として出版されました。

小さい頃に読んでもらったという方も多いかも知れませんね。

おじいさん・おばあさん・孫娘・ねこ・いぬ、最後にねずみが大きなカブを抜くシーンが印象的です。

おじいさんの植えたカブが大きくなりすぎて、なかなか抜けずに皆で協力して一生懸命抜くんですね。

諦めないこと、みんなで協力することの大切さを教えてくれる絵本です。

「深夜0時の司書見習い」の感想

SNSで「深夜0時の司書見習い」の感想が投稿されていたので、一部をご紹介します!

「深夜0時の司書見習い」はアンが図書屋敷・図書迷宮という現実と夢の間を行き来しながら、本の世界を守ろうと奮闘する物語です。

図書館という空間が好きな方、冒険物がお好きな方にぜひ読んでいただきたいです!

まとめ

「深夜0時の司書見習い」のあらすじや登場人物をご紹介しました。

図書館を扱った作品は色々ありますが、図書迷宮という不思議な空間を持った図書館はなかなかないと思います。

ミステリーとファンタジーが融合した、素敵な作品です!

最後には驚きの展開が待っているので、気になった方はぜひ読んでいただきたいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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