陸上競技の中でも独特な存在感を放つ「競歩」。
一見すると「ただ歩いているだけ」のように見えますが、実は厳密なルールに基づいた高度な技術と戦略が求められる競技です。
今回は、競歩の基本ルールや歴史、そして2025年世界陸上に挑む注目選手をご紹介します。
こちらの記事で分かること
- 競歩の基本ルール・片足をついていなければいけない?
- 反則とペナルティー・審判が目を光らせている
- 競歩の歴史は19世紀から・元は賭けレースだった
- 2025年時点での有力選手をご紹介
ぜひ、最後までご覧になってください。
競歩の基本ルール・片足をついていなければいけない?
競歩には大きく分けて2つの重要なルールがあります。
ロス・オブ・コンタクト
選手は常に片足が地面に接していなければなりません。
両足が同時に宙に浮くと「ロス・オブ・コンタクト」とされ、反則になります。
これは「走る」のではなく「歩く」ことを明確にするためのルールです。
ベント・ニー
前脚が地面に接地した瞬間から、膝を曲げてはいけません。
接地から垂直に立つまで膝を伸ばしていないと「ベント・ニー」という反則になります。
競歩特有のフォームが必要とされるのはこのためです。
反則とペナルティー・審判が目を光らせている
競歩では審判が選手を常にチェックしています。
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違反があると「イエローパドル」で警告。
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3回警告を受けると「ペナルティエリア」で2分間待機。
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4回目の警告で失格。
ゴール後も審判団の最終確認で順位が変動する場合があり、緊張感が最後まで続きます。
競歩の歴史は19世紀から・元は賭けレースだった
起源と発展
競歩のルーツは19世紀イギリスの「ペデストリアニズム」と呼ばれる長距離歩行競技にあります。
当時は賭けレースとして人気を博し、速さと持久力を競っていました。
その後、貴族の散歩文化や軍隊の訓練と結びつき、徐々にスポーツ競技として体系化されていきます。
オリンピックでの採用
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1906年アテネ中間大会:男子1500m・3000m競歩
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1908年ロンドン五輪:正式種目(3500m・10マイル)
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1932年ロサンゼルス五輪:50km競歩導入
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1964年東京五輪:男子20km競歩追加
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1992年バルセロナ五輪:女子10km競歩実施
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2000年シドニー五輪:女子20kmに延長
今では男子20km・女子35kmなどが主要種目となり、世界的な注目を集めています。
競歩の特徴と魅力
競歩は「速さ」だけでなく「正しいフォームの維持」が不可欠です。
そのため、選手は走る以上に体のコントロールと集中力が問われます。
観戦する際もルールを理解すれば選手同士の駆け引きや審判の判定など、緊張感ある展開をより楽しめます。
【2025年注目選手】東京世界陸上へ挑む日本代表
男子20km競歩
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山西利和(愛知製鋼)
世界陸上出場4回。2025年日本選手権優勝、世界大会での躍進が期待されます。 -
古賀友太(大塚製薬)
派遣設定記録突破を目指し、東京世界陸上での優勝を狙う若手。 -
丸尾知司(愛知製鋼)
安定した成績で代表入り。堅実なレース運びに注目。 -
吉川絢斗(サンベルクス)
日本歴代7位の記録保持者。アジア選手権銀メダル獲得で勢いに乗る。
女子35km競歩
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梅野倖子(LOCOK)
2003年生まれの新星。自己記録2時間46分53秒を持ち、世界大会2度目の挑戦。
まとめ
競歩は「ただ歩いているように見えて、実は走る以上に厳しいルールがある」奥深い競技です。
その歴史は19世紀のイギリスに始まり、オリンピックを通して進化し続けてきました。
2025年東京世界陸上では、日本のトップ選手たちが世界の舞台で挑戦します。
ルールや歴史を知った上で観戦すると、競歩の面白さと選手たちの努力がより鮮明に伝わってくるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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